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坂倉準三の窯変(ようへん)タイル
復元タイル見本板
坂倉準三設計のシオノギ製薬中央研究所の修理のために復元したタイルです。上の写真は現場で色目を合わせたところ。右がオリジナルで左の板貼りのものが私たちの作った復元タイルです。還元焼成の過程で、釉薬が独特の変化を見せることを窯変(ようへん)と言います。焼きあがるごとに違う表情を見せてくれるのが焼き物のおもしろさです。このタイルは、そのおもしろさが際立っていました。60年代は青タイルが一世を風靡しました。特に坂倉さんは青タイルを見せ場でよくお使いになります。もちろんモジュロールを使ったコルビュジェゆずりの建築なのですが、それでもタイルが日本的なのがおもしろい。釉薬を厚くかけていることも日本的です。そのためにタイル表面のガラス層が厚くなり、光の乱反射が増えて、深みのあるタイル壁を作り出すことができます。
現場で試作品とオリジナルとを並べたところ
修理後のシオノギ製薬中央研究所
< 製作データ >
オリジナル シオノギ製薬中央研究所(大阪市)/坂倉準三設計/1961年竣工/「大阪の建築ガイドブック(第3版)」(大阪府建築士会1982年刊)によれば京都の大仏(だいぶつ)タイル
復元タイル せっ器質施釉タイル/108x60x15/2001年復元/多治見の工房で製作
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