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ヴォーリズのスクラッチタイル

 K邸(大阪市、2009年)

ヴォーリズ設計の神戸女学院の修理のために復元したタイルです。何度も試作を重ねて、ヴォーリズ時代のものを復元することができました。オリジナルは京都の泰山(たいざん)タイルです。いわゆるスクラッチタイルなのですが横引きタイプは数が少ない。スクラッチとは引っ掻くという意味ですが、ヴォーリズのタイルは引っ掻いて出た粘土の粒が表面に残っていて、それも模様になっています。張り方は、この住宅で試みたのと同じでタテの目地をとらずに突き付けにし、横の目地は巾広で深く取ります。左官職が目地用のコテで仕上げる装飾目地の一種。日本の左官技術を重視したヴォーリズらしい貼り方といえるでしょう。



< 製作データ >

オリジナル  神戸女学院(兵庫県西宮市)/ヴォーリズ設計/1933-34年竣工/泰山タイル
復元タイル  せっ器質施釉タイル/227x60x17/1997年復元/多治見の工房で製作



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